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2011年10月10日

人生は調和級数であるがゆえに美しく、業が深い

しかし、ブログは一度放置に入って全く書かなくなるものですね。くだらないことでも良いから書き続けることが大事なんでしょう。てことでくだらないことでも書こうかなと。

最近はMTで書くのがたるくなってきて、自分で適当なBlogツール的なものを作ろうかとか考えて、markdownをgit管理する簡易CMS的なものを多少作ってもいたのですが、そんなことをしているうちに余計ブログを書かなくなったフシもあります。

閑話休題。

最近(でもないけど)以下のようなツイートをよく見かけますね。

hogeはfuga日生きた。今日は有意義だったか

こんなのは以下のワンライナー一発です。11448日生きたようです。

perl -MDateTime -E 'say DateTime->today->delta_days(DateTime->new(year=>1980,month=>6,day=>5))->in_units("days")'

これを見て常々考えていたことを思い出したんだけど、一年の体感時間て何故かどんどん短くなるじゃないですか。それは、一年が自分の中で何度も繰り返された末に、その価値がどんどん陳腐化していくのが大きな理由だと思うんですね。

これの数式化を試みると、0歳から1歳までの1年てのはその人にとっては人生の全てなわけですよ。この1年の価値を1とすると、1歳から2歳までの1年は自分の人生の1/2を占めるわけで、1/2の価値になります。そして31歳から32歳の1年は自分の人生の1/32にしかなりません。つまり以下のようになります。

人生の体感時間 = 1 + 1/2 + 1/3 ...

この体感時間に基づいて、実際に自分がどれくらいの割合の人生を消化しているのかを1歳から100歳まで出力するワンライナーが以下です。人生が100歳と長めに仮定しています。

perl -e '$die=100;$r+=$_ for map{1/$_}1..$die;printf "| %3d | %5.3f |\n",$_,sub{$i+=1/$_;$i/$r}->()for 1..$die'
|   1 | 0.193 |
|   2 | 0.289 |
|   3 | 0.353 |
|   4 | 0.402 |
|   5 | 0.440 |
|   6 | 0.472 |
|   7 | 0.500 |
|   8 | 0.524 |
|   9 | 0.545 |
|  10 | 0.565 |
|  11 | 0.582 |
|  12 | 0.598 |
|  13 | 0.613 |
|  14 | 0.627 |
|  15 | 0.640 |
|  16 | 0.652 |
|  17 | 0.663 |
|  18 | 0.674 |
|  19 | 0.684 |
|  20 | 0.694 |
|  21 | 0.703 |
|  22 | 0.711 |
|  23 | 0.720 |
|  24 | 0.728 |
|  25 | 0.736 |
|  26 | 0.743 |
|  27 | 0.750 |
|  28 | 0.757 |
|  29 | 0.764 |
|  30 | 0.770 |
|  31 | 0.776 |
|  32 | 0.782 |
|  33 | 0.788 |
|  34 | 0.794 |
|  35 | 0.799 |
|  36 | 0.805 |
|  37 | 0.810 |
|  38 | 0.815 |
|  39 | 0.820 |
|  40 | 0.825 |
|  41 | 0.830 |
|  42 | 0.834 |
|  43 | 0.839 |
|  44 | 0.843 |
|  45 | 0.847 |
|  46 | 0.851 |
|  47 | 0.856 |
|  48 | 0.860 |
|  49 | 0.863 |
|  50 | 0.867 |
|  51 | 0.871 |
|  52 | 0.875 |
|  53 | 0.878 |
|  54 | 0.882 |
|  55 | 0.886 |
|  56 | 0.889 |
|  57 | 0.892 |
|  58 | 0.896 |
|  59 | 0.899 |
|  60 | 0.902 |
|  61 | 0.905 |
|  62 | 0.908 |
|  63 | 0.911 |
|  64 | 0.915 |
|  65 | 0.917 |
|  66 | 0.920 |
|  67 | 0.923 |
|  68 | 0.926 |
|  69 | 0.929 |
|  70 | 0.932 |
|  71 | 0.934 |
|  72 | 0.937 |
|  73 | 0.940 |
|  74 | 0.942 |
|  75 | 0.945 |
|  76 | 0.947 |
|  77 | 0.950 |
|  78 | 0.952 |
|  79 | 0.955 |
|  80 | 0.957 |
|  81 | 0.960 |
|  82 | 0.962 |
|  83 | 0.964 |
|  84 | 0.967 |
|  85 | 0.969 |
|  86 | 0.971 |
|  87 | 0.973 |
|  88 | 0.975 |
|  89 | 0.978 |
|  90 | 0.980 |
|  91 | 0.982 |
|  92 | 0.984 |
|  93 | 0.986 |
|  94 | 0.988 |
|  95 | 0.990 |
|  96 | 0.992 |
|  97 | 0.994 |
|  98 | 0.996 |
|  99 | 0.998 |
| 100 | 1.000 |

100年生きたとしても、7歳にして人生が折り返すことがわかります。

さて、上の式をみてピンと来た方もいらっしゃるかも知れません。1 + 1/2...の無限和を数式化すると以下のようになります。

\displaystyle\sum^{\infty}_{n=1} {1 \over n}

はい。これは調和級数ですね。

上記リンクから引用。

名称の「調和」(harmonics) というのは音楽や和声学における倍音の概念に由来するもので、振動弦の倍音の波長というのが弦の基本波長の 1/2, 1/3, 1/4, ... となっていることによる。調和級数の各項は前後の項の調和平均になっており、また調和平均という用語もやはり音楽に由来するものである。

音楽においても非常に重要な数式でもあり、西洋音楽の美しさの要とも言える式だということがわかります。

さらに以下の記述を引用します。

調和級数は、その項の極限が 0 になるにもかかわらず発散するという意味で、初学者にとっては直観的ではない級数である。

はい。ほんと直観的ではないですね。

この級数が収束するのであれば、人生を無限に生きることに特に意味が無いと断言できるのですが(いくら生きたって頭打ちだから)、この級数が発散するということは、無限に生き続けることにはわずかながらに意味があるということです。

「いくら生きたって、一定の値に収束するんだから、無限に生きたって意味はないんだ」とか言いたかったんですが、見事に失敗に終わりました。ということで人生は美しくも業が深いものですねと改めて思ったのでした。

投稿者 Songmu : 2011年10月10日 00:29