« 体力勝負 | メイン | 深海魚フィルタ »

2006年7月23日

Spamの応酬

NotesにSpamが鬼のように来る。インターネット上に公開しているアドレスをNotesのアドレスに転送かけているもんだから、そこにくるSpamがすべて流れてくる。

その外部に公開しているメールアドレスは、申し込みフォームから流れてくるメールを除くと、9割以上Spamなもんだから、大いに困る。NotesはSpamのフィルタはおろか、メールの振り分けすら出来ないから、その点は勘弁して欲しい。

Spamフィルタは、もはやベイリジアンフィルタが業界標準となっているようだが、一回使ってみると、確かになかなか快適である。いくつか搭載メーラーを使ってみたがちょっとその比較をしてみたい。

Mozila Thunderbird

最近飛ぶ鳥を落とす勢いで、普及が進んでいるフリーメーラー。何せ天下のMozilaプロジェクトなのである。

こいつは標準でSpamフィルタを備えているのだが、そのフィルタ能力はすげえ。勤務先でNotes以外のPOPメールを受信するので使い始めたのだが、1週間ほど学習させたら誤検知は全くなくなった。2週間したら、Spamの見逃しもほぼなくなった。Spam学習もワンクリックですばやく迷惑メール指定ができるのが優れもの。メールを受信すると、ズババっと迷惑メールマークをつけて、ゴミ箱に一気に放り込んでくれるのはなかなか爽快。何せ職場のPOPメールは殆どSpamなもんだから。

メーラーとしての能力を問うと、動作がもっさりしているのが気になるところ。デザイン的にも妙に小奇麗で丸みを帯びていて、色彩が薄いのも個人的には少し気に食わない。なので自宅のメインメーラーにはなりそこねている。

Sylpheed + bsfilter

Sylpheedは日本発祥の誇るべきフリーメーラー。一時Vine Linuxを使って遊んでいた際、標準メーラーとして搭載されており、割と使いやすかった覚えがあった。それで、去年Windowsにも移植された際に使ってみたのが使い始め。現在もたまに自宅から職場のPOPメールを受信する際に使用している。

bsfilterと連携をとると、Spamフィルタ機能を実装できる。Sylpheedに関してはドキュメントが少ないので、設定には少し苦労した。Spam自体の学習はワンクリックで指定できる点はThunderbirdと同じく簡単。

肝心のSpamフィルタ能力は概ね良好。ただし、Thunderbirdにはかなわない。しばらく学習させるとSpamを取り逃がすことは少なくなるのだが、ごく稀に誤検知があり、普通のメールをゴミ箱に投げ込まれていることがある。なので、Spamを一斉消去する際はざっと一覧に一度目を通してから消去する手順を踏まざるを得ない。

デザイン的にもシンプルですっきりしているので、個人的には好きなメーラーではある。ただ、まだ煮詰めが甘い部分があって、時々突然マウス操作を認識しなくなったりなどの誤動作も起こす。メニューや設定画面がやはりLinuxライクなので、慣れないと苦労するかもしれない。

それに、私にとっては致命的な弱点がある。中国語を上手く表示できないのだ。表示フォントをMS UI Gothicに指定しても中国語特有の漢字を表示してくれない。文字コードごとに細かいフォントの指定が出来ないのも×。中国語のメールを頻繁に(嘘)やり取りする自分にとっては大いなる問題。

なので、特に多言語環境に関してなど、まだまだ改善の余地はあるのだが、現在も鋭意開発中なので、今後に大いに期待している。

Becky! + BkASPil

大学時代からずっと個人メールにはBecky!を使っている。かなりメジャーなシェアウェア。通ってた大学がライセンスを取得しており、無償で使うことが出来た。

BkASPilというBecky!用のプラグインを使用すれば、ベイジリアンフィルタを使用可能になる。

ただねー、このフィルタは正直いまいち使えない。誤検知がないのはありがたいのだが、Spamは半分強くらいしか拾ってくれない。一度Spam指定したのとほとんど(全く?)同じメールでないとSpamと検出してくれない模様。Spamの指定も右クリックから行わないといけないし、時間も数秒かかるのが難点。

よく調べてみると、閾値などの設定なども出来るようなのだが、そういった設定を施さなくても標準状態でもう少し使えるレベルであって欲しいものである。

ずっと使ってきた慣れもあるのだが、これをメインで使っている。大量のメールにもかかわらず動作が軽快なのがすばらしい。過去受信したプライベートのメールはすべてこのメールボックスに入っている。また、スペースキー連打で読み飛ばしがなにるのが何気にポイント。今回紹介したほかの2つのメールはそれが快適に出来ない。Thunderbirdなんかスペースキーを連打すると勝手に次のメールに移ったりするし。残念なのはSpamフィルタの性能。

Gmail

かなりすぐれたSpamフィルタ能力を誇るらしいのだが、アドレスを一部の人にしか公開しておらず、残念ながら(?)まだSpamを受信したことがないので分からない。Webメールに革命をもたらしたインターフェースはもちろん秀逸。


以上、スパムフィルタの比較だったが、同じ単純な理屈(ベイズの定理)のはずなのだが、フィルタ能力に差があるのはなんだか不思議だ。

実はベイズの定理は、学生時代に離散数学をわりとしっかりと齧っていたこともあり、ちょっと思い入れのある定理である。もうすっかり忘れたけどね。クラスでは一番優秀だった自信があるのだが、それでもそんなものなのですね、学生の勉強なんて。

離散数学のクラスからグラフ理論のゼミに行ったものの、しばらくしたらそこの先生が他の大学に移ってしまい路頭に迷ってしまった、ってのはまた別の話。

投稿者 Songmu : 2006年7月23日 04:13