2006年8月 2日
チーム・バチスタの栄光
良かった。ストーリは山場らしい山場もなく淡々と進んでいく癖に飽きさせないのが不思議な作品。真犯人じゃないヤツに疑惑をかけてみるとか、ミステリにありがちなそういった展開が全くないのだ。もう少し黒崎教授あたりに疑惑を向ける展開があってもよさそうなものだが、それをやってしまうとバランスが崩れてしまうでしょう。それでいて犯人がなかなか特定できないってのが面白い。
ミステリではあるが、謎解きというよりも人間ドラマに近い。ほどよいリアリティ、興味深い設定、ほど良くディフォルメされたキャラが立っている点などが良い。
ルールは破るためにあるのです。そしてルールを破ることが許されるのは、未来に対して、よりよい状態をお返しできるという確信を、個人の責任で引き受ける時なのです
高階教授のこの言葉がこの作品一番の名台詞。