2008年1月 1日
今年は年賀状
今年は、個人的に身辺が落ち着いた事もあって、年賀状を書いた。主に疎遠になっている人が中心なので、このサイトを見に来ていただいているような親しい友人らには送っていないので悪しからず。
画像を見りゃ分かると思いますが、オール手書き&印です。タダでさえ心のこもってない紙切れを大量生産することが無駄に思えて仕方が無いので。下手に大量生産出来るもんだから、送っても送らなくても良い当落線上の人間にもついつい送ってしまったりするわけですよ。パソコンでデータを作るんだったら、メールで済ませりゃいいじゃんと思うわけです。
実は今回は年賀状ついでにやってみたい事があったのです。画像を見れば分かると思いますが、ズバリ篆刻です。実際のところどっちが手段か目的なのかははっきりしません。
もともと興味はあったのですが、恋人が大学で篆刻やっているってのを聞いて、俄然やりたくなり、教えを乞うことにしました。
石を買ってもらったり、字典貸してもらったり、彫り方を教えてもらったりと、いやー持つべきものは、書道学科の恋人です。
てことで、ちょっくら今回の手順の紹介。恋人には印刀の使い方を教えてもらったくらいなので、手順はかなり我流かつ邪道。先ずは石と印刀。
何れも書道用品を売っている文房具屋に置いてあります。石は2cm角のもので大体300円位。印刀は600円でした。
印刀はこれしか無かったので買ったのですが、この印刀、安いだけあって、新品なのに既に刃にバリがあります。なのでもうちょっと高いもののほうが快適に彫れるかもしれません。今回は彫っていて、そこまで不自由は感じませんでしたが。まあ、高いものを使っちゃうと戻れなくなっちゃうんだろうね。
次に、書道字典。あらゆる漢字と字体が載っています。
私は名前についている「雅」を彫る事にしました。雰囲気を出すために、字体は説文にする事に。文字の太さが比較的一定なので、初心者には彫りやすいだろうという考えもある。
で、この文字を石に書くわけです。印なので、逆字になります。
字典の文字をそのままなぞって、適正な大きさに変倍コピーして、転写する方法もあるようで、最初はそれで行こうかとも思ったのですが、それもやはりつまらないので自分で書く事にしました。
先ずは、油性ペンで紙の上にたくさん書いてみて練習します。これが良いかなというものが書けたら、紙を裏返します。するとあら不思議(じゃない)、その文字の逆字が出来ているではありませんか。これを見ながら、石の上にも同じ形を書いていきます。最初は鉛筆で書いて、油性ペンで清書すると言う手順で行いました。
後は、書いた線に沿って彫るだけです。削りカスが結構出て、線が見えづらくなってしまうので頻繁にカスを落とす事になります。また、彫り終わった箇所は平らな部分と色が同じなので、どのくらいの幅でどれくらいの深さで彫れているのかがちょっと分かりづらいのです。
なので、掘る部分だけじゃなくて、彫らない部分にも着色しておいたほうが、どこが彫れたか分かりやすかったんじゃないかと思います。掘る前に印面を赤のマジックかなんかでベタ塗りすれば良かったかも。
最後に印面を自転車のパーツクリーナー(笑)で脱脂、洗浄して、完成。ちょっと文字が小さくなってしまった。マジック多用したり、パーツクリーナー使ったりと邪道の極みですね。作業開始から正味2時間程度でした。今回は文字の部分を彫る比較的簡単な彫り方(白文というらしい)だったので、次に彫る事があれば逆(朱文というらしい)にも挑戦してみたい。
修正が利きづらい一発勝負なので、彫る前は緊張した。途中で複製とか出来ないからね。コピーできない物に対して昔以上に不安を感じるようになってしまっているの自覚できて、デジタルに毒されているなぁと感じた。
恋人なんかは、自分の身体くらいの大きさの半紙に一発勝負で何百字と文字を埋めていくようなことをしているわけで、超絶。そういうプレッシャーの世界では精神の鍛えられ方が全然違うと思うよ。