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2006年11月 3日

邪魅の雫

読みやすかった。800ページ超の割にはあっさり読み終わった。6時間くらいかな。つまらなくはないし、むしろ面白かったので早く読み終わったと言う見方もあるのだが、どうも毒が足りないね。前作同様、タネもトリック(?)もわかりやすかったし。

京極作品でありながら、狂気に満ちた人が出てこないから物足りないのだろうね。せいぜい大鷹のような阿呆くらい。大鷹の描写はよく出来ていたけどね。思考が飛躍するのだが、その自覚がない人ってのは確かにいるし、そういう人はこういう風に動いているのかと、妙に納得させられた。

個人的には、榎木津がどんどん一般人染みて来たのが残念だよ。今回はそういう設定だったとは言え、榎木津だけでなく、作品全体的にパワー不足なのです。

ちょっと批評染みてしまったが、決してだめだったわけではない。京極作品の読者だったら読めばよいと思う。京極作品にしてはイマイチだっただけなので。作家の値うちみたいに点数をつければよいのかな。絶対整合性がつかなくなると思うのでやらないけど。

投稿者 Songmu : 2006年11月 3日 02:06