2008年11月10日
意地がぶつかり合った今年の日本シリーズ
素晴らしかったね。両チームともリーグ完全制覇を成し遂げた意地がぶつかり合って、ここ数年で一番の好シリーズとなりました。ダメだダメだといわれるクライマックスシリーズですが、お互いCSも勝ち抜いた意地があってこそあれだけの好シリーズになったのではないでしょうか。
最終戦は熱かった。西武の投手全員が気合に溢れていた。西口も石井も涌井も星野もグラマンも渾身のピッチングを繰り広げておりました。2回の坂本のホームラン以降ランナー無しという。西口も立ち上がりはすこし悪かったけど、球自体は来ていたしね。坂本の一発は完全出会い頭。
石井は全盛期を思わせるようなピッチングでした。あの小笠原がカーブに腰が引けてしまってバッティングをさせてもらえなかったんですから。涌井はもうストレート・スライダー切れまくり。
石井も涌井もそんな完璧な内容だったのに、それでもスパッとかえる渡辺監督の潔さ。「岩瀬が案外球が来ていたからもう一イニング行かせた」とか言っていたどこかの五輪監督とは大違いです。
渡辺監督は常勝西武にいただけあって、シーズンの戦い方と短期決戦の戦い方の両方を心得ている感じがしました。短期決戦ではこれで負けたら仕方がないとばかりの戦い方を決め、それをぶれずに実行するってことができたんじゃないかと思います。
考えてみたらV9以降だとプロ野球界で一番強かったチームはあの頃の西武なのだ。V9の人たちが歳をとってしまった今や、当時の西武に所属した選手は現在球界で一番勝ち方を知っている人たちで非常に貴重な存在だといえるでしょう。
巨人は逃げ切れなかったね。越智を交代しなかったのは完全に継投ミスでしょう。同点に追いつかれて完全にダメになっちゃいました。中村敬遠は良い判断。その次の野田に2球連続でストライクが入らなかった時点で即交代すべきだった。顔青ざめてたしね。そりゃ日本シリーズ最終戦だし、失点して恐怖が目覚めちゃったし仕方が無いよ。
ああいう場面こそ百戦錬磨の豊田だと思うんですよね。であれば打たれても納得がいくよ。
とは言え越智は良いピッチャーだね。このシリーズで初めてよく見たけど、今年成績を残したのが頷ける。藤川ばりに人差し指と中指をくっつけて投げる高めのストレートには威力があり、なにより、インコースをストレートでつくときに「打たれるところに投げない」ってのがこのシリーズの中では最大の良さだったと思う。あとは変化球が課題ですかね。
彼はリーグ優勝に大きく貢献し、日本シリーズでも好投し、日本一は逃したとしても、バラ色のオフを過ごすはずだったのです。しかし、あの継投ミスでこのオフを暗い気持ちですごす事になってしまった。降板後ベンチでうなだれてたのは可哀想でした。
プロの監督に素人が色々言っても仕方ないんですが、あれだけは本当に酷いミスだった。
なんか、WBC原監督でも別に悪くないかなとか私は思ってたけど、あの継投ミスは色々な意味で波紋を呼びそうな気がする。