おそらくはそれさえも平凡な日々

オライリーの「入門 監視」の付録Cを執筆しました

入門 監視 ―モダンなモニタリングのためのデザインパターン

この本はPractical Monitoringの邦訳です。原著は持っており、良い本だと思っていたので、翻訳者の松浦さんが邦訳されている話を聞いたときには嬉しく思いましたし、そこで付録を執筆して欲しいという依頼もいただき、身に余る話でしたが、引き受けさせてもらいました。

そして「実践 監視SaaS」と言う内容を付録Cとして20ページほど書かせていただきました。原著が監視SaaSの活用を推奨してはいるのですが、内容的にはツールに偏らない、概念的で中立的な本であるため、監視SaaS活用に関してはもう少し具体的、実践的な話を補強して欲しいというオーダーを受け、書いたものです。

私は、Mackerel という監視SaaSのプロダクトマネージャーを務めており、それもあって依頼を頂いた形ですが、逆に、原著の中立的な良さを損なわないように公平さを心がけて執筆するのは苦労しました。とはいえ、私は、当たり前ですが、監視サービスの中ではMackerelが一番得意であるため、Mackerelも例示しながら付録を執筆する形となっています。

本書の推しポイント

付録を抜きにしても、本書は本当に良い本です。「監視はインフラエンジニアの担当領域である」や「監視は専門的な知識がない人には全くおこなうことができない」といった誤った固定概念を打ち砕いてくれる本です。私自身「アプリケーションの監視は、いわゆるインフラエンジニアより、アプリケーションを一番理解している人が監視を一番良くできる」と常々考えてきたため、この本はそれを伝えてくれている良い本です。

しかも、200ページ程度の本なのですぐ読めるでしょう。

筆者の主張が的確ながらも強めなのも面白ポイントで、個人的に良いと思った文言を以下に抜粋しておきます。

「メトリクスの履歴を保存していない(Nagios、お前のことだ) 」
「銀の弾丸はない。この本からこれだけは覚えておいてください。」
「お願いだから円グラフは使わないで」
「SLAとは、(ほとんどの場合) 願望や嘘である」
「多くのチームではアプリケーション監視が難しすぎるか、高い専門的なスキルセットを必要とすると考えているからだと私は思います。しかしありがたいことにどちらも真実ではありません」
「アプリケーションの計測を始めれば、もう病みつきになります」
「一般的に言って、何に対してであれロードアベレージに依存することは時間の無駄だと考えています。」
「ネットワークパフォーマンスの監視における最大の課題は、SNMPを使わなければならないという1点に尽きます」

その他の名言はぜひ皆様の方で見つけてください。

謝辞など

オライリーさんから報酬をいただけるような仕事ができたことは何よりの喜びです。翻訳者の松浦さんには良い機会を頂いて本当に感謝です。編集の高さんにもお世話になりました。

Practical Monitoringの原著を去年の頭に薦めてくれた、hayajoさんもありがとうございました。hayajoさんは僕が推薦して、この邦訳のレビュワーも担当されました。

付録執筆にあたっては、 kazuhoさんkyannyさんのblogから、一部文言を引用をさせてもらいました。ありがとうございます。

また、書籍「テスト駆動開発」からも引用させていただきました。t-wadaさんありがとうございました。そういえば、奇しくも、僕も付録C執筆クラスタになったことを愉快に思っています。(勝手に光栄だとも思っています)

入門 監視 ―モダンなモニタリングのためのデザインパターン
テスト駆動開発

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2019-01-07T04:50:14+0900

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