おそらくはそれさえも平凡な日々

続・マンション購入記(売買契約から内覧まで)

前回、購入を決めたところまで書いたが、今回は家ができて内覧するところまで。

ローン本審査と団信

前回通ったのは仮審査なので、次は売買契約と住宅ローンの本審査となる。

住宅ローンには団信(団体信用生命保険)というやつが含まれている。これは、本人が死んだり、障害を抱えるなどして返済能力が無くなったときにローンの残債がチャラになるという強力な保険だ。それだけの優遇があるので、その分、ある程度健康であることが求められる。審査申込時に健康状態の記入項目がある。

それまでは比較的健康には自信があり、実際その前年までは健康診断で引っかかったことはなかった。しかし、前年から外的要因の変化が色々あり、体重増加等が気になってはいたのだ。

果たして、その年の健康診断は初めての再検査となった。LDLコレステロール値が正常値範囲外になっていたのだ。焦ってすぐに再検査を申し込み、再検査までの1ヶ月の間、酒を断ちジム通いの回数を増やして再検査に臨み、正常値に戻すことができた。

その年は、禁酒などしていたのもその関係で、禁酒を始めたのは健康診断を受ける前だったが、なんかヤバい感じはしていたのだ。

再検査の結果も売買契約に間に合わせられたので、本検査と再検査の結果を踏まえて正直に健康状態を申告した。「これくらいだったら大丈夫だと思いますよ」とは言われたものの、心配だったが審査は通った。

当然だが、団信の健康状態の申告は正直に申告すること。虚偽申告はリスクが大きすぎる。

団信の世知辛さ

ここで分かったのは、団信が通るかどうかで天と地ほどの差があるということだ。35歳を超えたくらいから、僕がまさしくそうだったように、健康リスクも高まってくるし、35年ローンだと返済完了時には70歳を越えることになる。年々、住宅ローンが借りづらくなっていくのだ。

寿命も延びているし医療も進歩しているので、当時の僕くらいの健康状態は許容範囲だったのだろうが、明に団信が通らなくなるケースもある。

世知辛いし、大分厳しいと思うのがうつ病で、うつ病の持病や直近の既往歴があると、団信がほぼ通らない。もう少し金利の高いワイド団信というやつか、団信のない(=死亡時にチャラにならない)フラット35などでローンを組む必要が出てきてしまう。その場合ローンを組めたとしても返済額は大分高くなる。

住宅ローンは色々優遇されている分、外れてしまうと大分格差がついてしまう。35年も保証させる大分無茶な仕組みなので、そもそもどうなのかという話はあるが、一発アウト事案が結構あるのは厳しい。

前回のエントリーに対して「転職回数や勤続年数で信用判断されるのはナンセンス」という反応もいくつかあった。それもそうだなとは思うが、貸す側の立場からすると35年前には無かったような職業の人に35年ローンを貸しづらいというのも分からなくはない。なので、職業選択はある程度自己責任な部分もあるが、持病等でかなり差がついてしまうのは世知辛く思う。まあ、そもそも無理がある仕組みなのかも知れない。

ライフプランナーと保険

売買契約の会場で、ライフプランナーの無料相談を勧められて、その場でライフプランナーと話した。要は保険の営業なのだが、保険等について無頓着だったので良い機会だと思って話すことにした。

多分そういう人は多いのだろうし、保険会社からしても家を買えるような人が会場に集っているということで、狙い目だと目論んでいるのだろう。だからこそ、しっかりしたベテランのライフプランナーを充ててもいるようだった。実際担当してもらった方は良い方だったし今も担当してもらっている。

その後、妻も含めて何度か説明の機会を設けてもらって、医療保険と生命保険に加入した。遺族年金等についても説明してもらい、将来のために保険に入りましょうという話をされた。良く聞く典型的なセールス文句である「保険は貯蓄」も聞きました。

最初のヒアリングシートの記入で色々書かされたのだが、僕の小遣いも書く必要があった。小遣い制ではあるものの困らない額に設定しているので問題ないのだが、これを減らされる提案されると困るな、とも思っていた。しかし、そこを減らす提案はプランナーからは出てこなかったので一安心。それで気分良く保険を契約したので、それも向こうの作戦だったのかも知れない。

それと、提示されたライフプランの中で「一般的には55歳が収入のピークなので」とか説明されて、55歳時点で結構な年収額が書かれており、いやー流石にそれはないでしょ、とか思ってしまったりした。このあたりも住宅ローンの仕組み同様、昭和の残滓を感じた。

ということで、保険の見直しも家の購入と同時にできたのは良かった。団信も含めて「死ぬ準備ができた」というのがあって、いつ死んでも家族は大丈夫だという変な安心を手に入れた感じがあった。

ただ、最近、資産の見直しをする中で、少し保険に寄せすぎている感じがしているので、アセットアロケーションの見直しをしたほうが良いな、とは思ったりしている。

棚などのオプション選定

入居までのお楽しみとして、オプション選定がある。ただ、ここで盛るとクソ高くなるし、多くは別のところで調達したほうが安上がりなので、最低限に留めるのがお約束。

また、建築状況によって申し込めるオプションの期限がある。僕の場合は、買った時点で既に申し込めなくなっているオプションがいくつかあったが、カウンターキッチンを大理石へ変更する等、そもそも余り興味がないやつだったので問題なかった。

結局申し込んだのは、デザインの統一感や収納の確保のために、キッチンの背面収納及び吊戸棚と洗濯機上の吊戸棚をつけてもらった。後はレンジフードフィルターもガラス繊維のやつを追加購入した。玄関のオーダーミラーは最初はあったほうがよさそうに思ったが、高いので要らんな、となった。

フロアの耐水コーティングを勧められたが、断った。フロアコーティングは他の業者もチラシを入れてきたりして散々勧められる。しかし、どうせ汚すだろうし、子供が独立したくらいのタイミングであまりにもひどかったら張り直すとかすればいいのではないか、という話を妻とした。そもそも、子供が小さいファミリーをターゲットとした物件で、床を標準で水に弱い素材にしているのはどうかと思う。

内覧会

そんなこんなでマンションが建つのをしばらく待っていると、内覧会がやってくる。出来上がった部屋を見せてもらって、不具合がないか含めて確認する会である。

家具の配置検討のためもあって、測量用にメジャーを持っていったが、大規模マンションだし、滅多なことはなかろうということで、専門家に同行はしてもらわなかった。一箇所、壁紙に僅かなよれがあって気になったので、貼り直してもらった。

ただ、同時期に家を買った友人が何人かいたのだが、後日話をしたら、専門家に同行したもらった人は結構多く、細かい指摘をいくつか出してもらえて良かったという話も聞いた。

なので、高い買い物であるし、ここで数万円ケチるよりかは、専門家に同行してもらうことをおすすめします。

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2021-05-17T01:28:21+0900

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