おそらくはそれさえも平凡な日々

ポッドキャスト開始時のプラットフォーム選定やサイト準備 2025

ポッドキャストを始めるにあたり、まず配信サイトをどうするかという話があり、その辺りについての個人的見解や調査結果をまとめてみる。ポッドキャスト配信に興味がある人の参考になれば幸いです。

ポッドキャストの捉えられ方も多様になってきていますが、ここでは、特定のアプリやサイト内で独占的にしか音声を聴けないものではなく、配信者が様々なメディアに登録できて利用者が無料で利用できるオープンな形式のものを指すこととします。そちらの方が広くリーチしたい場合には効果的でしょう。

メイン配信プラットフォーム選定

大本の配信元をどこにするか。これは、以下の分類になる。ただ、何れのパターンを選ぶにせよ、Spotifyへの登録はお勧めする。(後述)

  • Spotifyが無難。特に企業でやるなら
    • シェアが大きい
    • 担当者も前提知識少なく始められる
    • 分析機能も見やすい
  • 個人でやるならLISTENもオススメ
    • コミュニティ要素が上手く機能している
    • 文字起こしが最初から全てのポッドキャストで有効にできる
  • エンジニアだったら自前構築もオススメしたい
    • 静的サイトをホストするだけなので難しくない
    • PodbardYattecastなどのOSSを使うと楽

私の場合、趣味でOSSをやっている者だ、はPodbardによる自前構築でCloudflare上でホストしている。ヘンリー理想駆動ラジオはSpotifyだ。

個人的には自前構築を推している。何れのパターンにせよ、最終的には複数媒体に登録することになるので、どこが「ホームページ」なのかが分かりづらくなって分散してしまう問題があるが、自前構築であれば大本のサイトがホームページであることが明確になる。Spotifyをメインにしている場合も、別途ホームページを設けているパターンも見る。

また、プラットフォームの番組画面をホームページにする場合には表現の自由度が低いのも難点。Spotifyだと、概要欄や説明欄のテキストエリアが使いづらい。一応、Spotifyの説明欄にはHTMLを直接記述できるので、私は、Markdownで書いてローカルでHTMLに変換した物をテキストエリアに貼り付けている。

余談だが、自前構築をやりやすくするために作ったOSSがPodbardであり、個人的には満足できる出来になっているが、全然使われていないのが残念。この領域ではYattecastが古くからが人気で数多くのポッドキャストが利用している。Podbardにも後発の強みがあると思っているが、やはり、Yattecastの凄さを改めて感じる。Podbard使いたい方はお知らせ下さい。今なら篤くサポートします。

アートワーク画像の準備

ポッドキャスト番組には、各媒体でアートワーク画像が求められる。媒体ごとに若干指定が異なるが、基本的には正方形のJPG画像であるため、1400x1400 pxの画像を一個用意しておけば使い回ししやすいだろう。画像の作成は、趣味活動であれば生成AIに作らせるのも今ならお手軽だ。

各プラットフォームへの登録

ポッドキャストを始めるまで知らなかったが、リスナーが利用するポッドキャスト媒体は今やSpotifyがトップで、リスナーの1/3程度が利用している。最低限Apple Podcastに登録しておくかと思っていたが、最低限登録するなら今やSpotifyが最優先だ。また、Amazon Music + Audibleも侮れないシェアがある。YouTubeもやった方がよいだろう。

この辺のリサーチについては、オトナル・朝日新聞社が出している、ポッドキャスト国内利用実態調査が参考になる。2024年と2025年でガラッと傾向が変わっているところがあるのも面白い。2025年の調査ではYouTubeが視聴メディアでトップになった。このあたりは「ポッドキャスト」に対する認知や解釈が広がってきたことが影響しているのだと思う。

登録推奨プラットフォーム

上記を踏まえ、以下のプラットフォームへの登録をお勧めする。全て無料で出来て登録も簡単だ。プラットフォーマー的にはコンテンツが増える分には歓迎というのがあるのでしょう。

  • Spotify
  • Apple Podcast
  • Amazon Music
  • YouTube
  • LISTEN

何れも、RSSフィードのURLとアートワーク画像を用意しておいて、それぞれにアカウント登録してフォームを適宜埋めて申請すれば、しばらくすればそれぞれの媒体上にラインナップされる。ちなみにYouTubeは「趣味で〜」の場合何故か3ヶ月くらいかかった。

各種プラットフォームに登録すると、それらの管理機能を使えるのも嬉しいポイントだ。例えば、Spotifyのアクセス解析やLISTENの文字起こしなどは個人的に有用だった。Spotifyのアクセス解析はSpotifyをメインにしていないとSpotify経由のものしか取れないが、それでも傾向を見るには十分だ。

ちなみに、複数プラットフォーム登録による難点として「コメント分散問題」というのがあるようだが、残念ながら私はそれには困っていない。

RSSフィードの確認

各種プラットフォームに登録する為にはRSSフィードというやつが必要になる。Spotifyの場合RSSフィードが有効になっているか確認して、そのURLを控えておこう。

あなたのRSSフィード - Spotify

このRSSフィードがあれば特定の媒体に限らず、他のプラットフォームやポッドキャストクライアントで聴いてもらえるので、大事です。

ホームページ / 公式サイト

付随要素ではあるが、ポッドキャストのホームページがあると嬉しい。お知らせや各種リンクをまとめて置く場所は欲しくなる。自前構築であればそこをホームページにできるが、プラットフォーム上で配信している場合には、追加で別に用意することになる。独自ドメインがあると嬉しいが、どこまで凝るかとの兼ね合いではある。

シンプルなリンク集で大体事足りるので、プロフィール作成サイトの利用をよく見かける。具体的には Bento が身の回りでは多い印象です。

また、メルマガサブスクなどで使われるSubstackほっとテック ではホームページとして使っていて、これはおしゃれだと思う。無料で使えて、独自ドメインも割り当てられる。こういうサービスは一般的には独自ドメインを利用する為には有料プランの継続利用が必要になることが殆どだが、Substackはワンショットの$50で独自ドメイン設定ができるようなので良心的。ちなみに、ほっとテックの場合はまた別の方法で実現しているようです。

独自ドメインを使った番組サイト・ニュースレター配信の設定 - ほっとテック Newsletter 準備号 ちなみにSubstack自体にもポッドキャスト機能があることに今気付きました。

ホームページに何を載せるか

各プラットフォームへの番組リンクの他、以下のような要素が多く見られます。お好みで用意して載せると良いでしょう。

  • お便りフォーム
    • Googleフォームや何らかの質問箱サービス
  • 公式SNSアカウント
    • Xやbluesky
  • コミュニティ
    • Discordやmixi2

まとめ

ちゃんとやろうとすると何気に色々用意する物が出てきてしまいますが、興味があれば、まずは最低限パッと始めてみてはどうでしょうか。気が向いた時に後から整えれば良いのです。

例えば、LISTENであれば、アカウント登録と番組登録をして、ブラウザから録音するだけ。何も用意せず、無料ですぐに始められます。LISTENでは声日記という気軽な音声配信ムーブメントが生まれているのも面白いところです。

「趣味でOSSをやっている者だ」は自前構築でやっていて、Cloudflareでホストしていますが激安なのでほぼお金はかかっていません。独自ドメイン代はかかっていますが、それもオプショナルなものです。なので何れにせよポッドキャストを運営する際には、配信面ではほとんどお金はかかりません。

機材や収録環境、編集などは、お金をかければキリがない世界でもありますが、逆に安く抑える方法もあります。手持ちのスマホだけで追加コスト無しで始めることだってできます。私がどうしているかは、以下を参考にしてみてください。

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2025-12-03T15:14:21+0900

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